ひがみ

東京消防庁所属の特殊部隊、消防救助機動部隊(通称:スーパーレスキュー)は、この天災を天佑と捉えていた。
無論現場レベルでの、文字通り生命の危険を冒した職責達成の至誠を揶揄するつもりは毛頭ない。しかし「あらゆる手段を講じて何が何でも救助する」と断言した、現地指揮者の目の爛々とした輝きに気がついたのは私だけではあるまい。
何しろ「己が必要とされる舞台があり、その舞台で使命を達成できる」機会があることは一生のうちに何度もなく、大半の人間は機会すら与えられずに一生を終えるのだから。