ちゃんの仕事は刺客ぞな。

いよいよ投票日を数日後に控えた衆議院議員総選挙*1なのですが。
小泉総裁は党内の反主流派を粛清し、返す刀で野党や連立政党の一部を食って党としての議席を増やし、結果的に独裁的性格を強めていくでしょう。*2
まぁ、独裁制は被支配層よりも支配層の負担が大きい制度*3ではありますけど、目的達成のためにはとても効率の良い制度ですから、今回の独裁化が正しくないとは言えないです。
ただ、憲政の趣旨からすれば、限りなく問題ある傾向なんですけどね。
閑話休題
いわゆる「刺客」候補について、彼らにはセーフネットが敷かれています。
比例名簿上位という「特権」です。
党中央にて直接決定され、地元の意向が反映されないまま比例上位に位置する彼らが、国会で籍を得ることに国民が関われないことがネット上で問題になっています。
ただ、考えてみれば。
その党に投票しなければ良いだけだろ
と言えるのではないかと。


比例代表制の民主主義的側面が強いことは争いはないと思います。
なにしろ単純に「数」を集めた党の意向が反映されるのだから。
にもかかわらず、比例代表を否定する人の根拠は「党名簿の選出に関われない」というものです。
その根拠は大切なことを見落としていると思います。
民主主義は「あなたの意見」と同じだけの価値を「他人の意見」にも認めているのだ
ということを。


あなたが「当選して欲しくない」人に「当選して欲しい」と思う人の意見も大切なのです。
そして民主主義とは最終的には「その意見の多寡」で決まっていく制度です。
もし、党が決めた名簿の上位に「当選して欲しくない」人がいるのであれば、その党を支持しなければ目的は達せられます。
もしその党を支持しない意見よりも、支持する意見が多ければ、名簿上位の人は当選します。
それこそ民主主義です。
あえて言うのであれば、民主主義が行過ぎた場合、個々は無視されてしまうのです。
全体主義国家*4が国名に民主主義を掲げるのは決して僭称ではないのですから。


民主主義が実現されることも重要ですが、より重要なことは民主主義を現実的手段として自由主義を実現し、国民一人一人の幸福追求権*5を保障することだと思います。

*1:憲法54条1項

*2:9月8日現在の「推定」です

*3:そうあるべきなのです

*4:既に滅びたものも含めて

*5:憲法13条