再録 その一

今年度の司法試験論文試験が終わったらしい。
伝聞形式である理由は、自分は実際には受験していないから。
何しろ今年は受験資格がなかった。自分の今年の択一試験は惨憺たる成績(F判定)で、辛うじて全受験生平均点を超えたレベルに留まっていたからである。

今年は「1,500人最終合格」が噂されている。
確かに多く感じられるが、それでも論文受験生のうち5千人以上が不合格になるのだ。
そして、その苦渋を味わった人達と、自分は来年戦っていかなければならない。
それも択一試験から。

その事実に気がついた瞬間に「気概」という言葉を実感した。
そうなのだ。
来年確実に受験し、択一試験にも合格するだろう彼らを押しのけて「合格したい」と思えるだけの気概を持つ必要があるのだ。

自分が、今法曹を目指す人間たちの中でどの位置にいるのかは分からない。
しかし、大切なのは「来年の5月、7月、10月」の各タイミングで発揮しうる力である。
そのためにこそ。
今日から、いや今から勉強を始めよう。
(7月20日 再録)